「あ、やった!ヒソカより先に着いた」










最初はヒソカの後を追って道無き道を走っていたワタクシですけども。

そこら中に
バッタバッタ倒れてる動物達を目印として進んで来てたわけですけども。

けどもですね、途中からヒソカに道案内的な事をされてる様でなんか癪に思えてきたんですよ。

だから追い抜かそうと思いました。

勿論、念を使ってゴールの場所を探しだしましたとも。

そんで道を逸れてかなりの獣道を通って(道中襲ってきた動物達は今頃鷲のエサ)きたんです。

でね、思ったんだけど、何で私行き成り半端な敬語になてんの?










★」


そこのピエールだって言ってるでしょうが」


「(ピエール…)カレなら向こうだよ」


「どうも」









今《ピエールって何かな》的な顔したでしょ。てかそう思ったでしょ。

あんたの名前だよ、名前。

宇宙変態★ピエールヒソーカだよ。

宇宙戦隊★みたいなノリね。



ヒソカの指した方向に行くとレオリオが木に寄りかかってた。










「レオリオー。


















 
うん、グッジョブ





「何がグッジョブだ!」










うーん、ナイスツッコミ★

いや、だってねー、グッジョブ以外に掛ける言葉が。

ぶっちゃけ腕の傷以外は怪我してないよ。

顔の腫れはとことん無視させて頂きます。










!」


「あ、来た来た」










クラピカとゴンのご到着ー★

っていうか、何時の間にかサトツさんが居なくなってるし。

さっき私が到着した時にはまだ居たのにな−。

んでさ、何この建物と変な音。

さっきから『ぐおー』とか何か形容し難い音が建物内から聞こえてくるんだけど。

………ま、いっか。










「腕の傷以外は問題無いな」


「おい!顔見ろ顔!!」










クラピカ、《あ…》て顔してるよ。

そりゃそうだよね。解らないよね。元からあんな感じだよね。













「何?レオリオの顔の事ならもう何も言わない事をお勧めするよ」


まで!お前等もう絶交な!!」










絶交って……
見た目二十代後半の男の言うセリフじゃないよね。

っていうか私はそこまでレオリオと親しくなった覚えはないんだけど。

あってまだ数時間だと思うよ、うん。










「い、いや、レオリオの顔の事ではなく…」


「何?」


「先程言っていたヒソカの秘密とは何なのだ?それに何故、がヒソカの秘密を……」










本当はヒソカの秘密なんか知らないけ ど ね 。

っていうかこの場合の説明としてはどれが一番適切なのかな?





『ヒソカも私も幻影旅団の一員だから★』






………。



却下。

直に襲い掛かってきそうだ。














『ヒソカとは恋人同士なの!』











……………………。






うっわ、無理。

そんな関係なんかになるくらいならフィンクスと公園デートした方がまだまし。

……いや、それも嫌だな。










「…………秘密」










うん、これが一番良い。

っていうかこれしかない。

うん、あのね、クラピカ。

そんな疑わしいものを見る様な目で見られても本当の事は教えないよ。

だって本当はヒソカの秘密なんか知らないし(二回目










《こんなこといいな〜♪できたらいいな〜♪あんなゆめ、こんなゆめ、いっぱいいあるけど〜♪》










おおっと、失礼。

着信着信っと。



クラピカ達から離れて携帯をポケットから出す。










「………今のド●えもん、だよな…」


「……ああ、確かにあのネコ型ロボットのキャラクターの歌だな」


「…クラピカ、お前もドラえ●ん知ってんのな」


「…あの歌は有名だからな。別に観ていた訳ではない」


「あ、そう…」














Das Ziel ist ein Schwein
良い行動は時に目立つ行動に














「もしもし、ー?」


ー、リトルお久★










ディスプレイに表示されてた名前がだったから第一声での名前を呼んだ。

そしたら、
意味不明な単語が出現。

うん、まあ、ね。

言いたい事は解るさ。私達同じ思考回路してるもん。

同族だもん。

アレでしょ。
『別れてからほんの少しだけしかたってない』からリトルお久なんでしょ。










「どうかしたの?」


《クロロとの惚気を聞いてもらおうと思っt
「却下」










何でここまで来て電話でクロロとの惚気を聞かなくちゃいけないの。

断固拒否。










《冗談冗談》


「(半分本気だった気がするんだけど…)で、何か問題でも起こったの?」


《うーん、問題っていうわけでもないんだよね。たださ、としての仕事がコツコツと山の様に溜まってきてるから、一応お知らせ」


「お知らせご苦労様です。私のパソコンに半分送っといてー」


《了解ー》










で、そこでお互いバイバイを言って通話終了。

通話終了ボタンを押したのと同時に、建物の扉が開いた。





…………………。





オイオイオイオイオイッ!






お腹の音ですか!

あの変な音は人間が出してた空腹の音だったと!

ウボーでもあんな音は出さないよ。










「二次試験は料理よ!」










えーと、メンチさんとブハラさん、だったっけ?

ブハラさんの方は兎も角メンチさんは結構有名な美食ハンターだったよね。

何度か珍味の分布とかの情報を集めてくれってのでを訪ねてきた事あったもんな。










「はあ?料理ぃ?」


「料理なんかした事ねえぜ」










でしょうね。

此処に集まった男集団は料理出来そうに見えないもん。

そうよ、此処に集まった人達は知らないんだ。

毎日毎日、十人以上のご飯を二人して作らないといけない辛さを。

しかもクロロなんかはさ、味に煩いしさ。

ウボーは大食いだしさ。

フェイタンは無駄に薄味だしさ。

フィンクスなんか"卵かけご飯"しか作れないのに威張っちゃってさ。










「それじゃ、試験開始!」










って、はい!?

話全然聞いてなかった!

何!?何すればいいの!?


イタリアンなフルコース作ればいいの?

それともおフランスの高級料理!?










「オレの指定メニューはブタの丸焼き!オレの大好物」










………ああ、はい。

そうだよね。

あの人に高級料理とか似合わないもんね。

質より量って感じだもんね。

で、ブタってあの
真っ黒で凶暴とか言われてるけど実はものっそい弱いあのブタでいいの?










「あら?貴女は行かないの?」


「ああ、はい。めんどくさ
……あ、ヤベ。本音が……あの、多分ブタさんの方から来てくれる筈なんで」










私以外の受験生達が一斉に森に向かって走って行ったのを見てメンチさんが不思議そうに私を見る。

んで、私ときたら思いっきり墓穴ほった。

ふふふ、ついね、本音がね。

最後の辺りとかね、誤魔化す為にぶりっ子だからね。

何だよ『ブタさん』って。










「来てくれる?」


「はい。こっちに向かってくる気配がするんです」










あ、もしかしてこれも目立つ発言だったりしますかね、奥さん。

試験官の目の前で念を使おうとか思ってる私は結構目立った行動をしようとしてる人なんでしょうかね、奥さん。

念は止めよう。

毒付きナイフにしょう。

っと、










「来たね」










この湿原に生息するグレートスタンプの群れのご到着。

なんか皆荒い行進しながら来てるよ。

あんなのに轢かれたくはないので、とりあえずよけとこ。

一番後ろのブタさんに毒付きナイフをお見舞いしてあげましょうかね。

勿論狙うは頭。










「本当に来た…」


「あの子凄いねー」










あ、やっぱり目立った。

でもわざわざ森の中まで行くのもめんどくさかったんだよね。



ドドドドドドッと私とメンチさん達の間をブタの群れが通り過ぎる。

最後尾にいたブタの頭に狙いを定めてナイフを放つ。

トスッとナイフは見事命中★

ブタは一瞬動きを止めた後ドサッと倒れた。










「…………貴女、そのナイフ毒性の?」


「はい」










因みにこれは貰い物だったりする。

マチ達に『護身用に』って貰ったんだよね。

ご信用に毒付きナイフ渡すなんて、世間一般のどんなに過保護な母親でもやらないよね。

って、ちょっと待て私。










「(このブタどうやって焼こう…)」










いやね、いつもなら念で楽々クッキング★なんだけどね。

試験官の前じゃあんまり使いたくないわけでしてね。

だからこうしてご信用のナイフを使ったのであってね。










「(あ、でも、そっか)」










別に念が使えたくらいではそこまで目立つ心配はないかな。

他にもヒソカとかイルミもいる事だし。

態(ヒソカ)変顔魔人(イルミ)以上に目立つ人物にはならないよね。

一般受験生達よりは目立つ事になるだろうけど、精々『念の使える人物』ってだけで………あれ?


念の使える人物って目立つ?あれ?目立つのかな。目立つよね。




じゃあこのブタどうすんのよ。










「(………もういい)」










念使おうが使わまいが一緒一緒。

この護身用(とかそんなレベルじゃない)ナイフを使ってる時点で目立ってるって。

いや、それ以前にブタの群れが近づいてる事を悟った時点でアウトだったね、私。










「さて、と。ブーハラさん」


「ん?なんだい?」


「レアとミディアムとウェル、どれが好きですか?」


「うーん……どれでもいいかなー」










緩い試験官だと思うのは私だけ?

そんななんでいいのか、試験官。


んじゃ、一応王道でミディアムにしときます。






はい、念DE★クッキングの始まり始まりー。

先ずはー、対象物と自分の周りに円を張ります。

次に、携帯しているマッチを取り出して火を点けまーす。

そしたら火を一吹き。

火は一瞬にしてブタさんの周りに風に運ばれたように移動して燃え始めましたねー。

そしてー、あっという間にミディアムな感じに仕上がりましたー★

わー、パチパチパチ…。



なーんて、
んなわけないでしょ。

数十分くらい焼かないと美味しくミディアムなんかに焼けるか。

あっという間になんて、お昼にやってるテレビショッピングのお姉さんがやる事でしょ。

アレは毎回思うけどぼったくりだと思う。

実際あんなに綺麗に、一般の人は出来ないと思うんだよね。










「へー、貴女念使えるのね」


「ええ、まあ。少しですけど」


「名前は?」


、といいます」


「受験番号一番なのねー。凄いじゃない」


「いえ、そんな。メンチさんに比べれば私なんかまだまだですよ」


「……私に比べれば?」










あ。





はい、落ち着けー。


はい、深呼吸ー。


スー、ハー。スー、ハー。


よし、
どうしよう。










「えっと……私結構ハンター世界の事に詳しくて、ですね。メンチさんの事も知ってるんです」










よし、口から出任せにしては良い言い訳よ、私。

私だったら絶対信じないけど、こんな言い訳。

ま、プロハンターって言ってもいつも命を狙われてるわけでもないだろうし、そんなに警戒はしてないし大丈夫でしょ。










「その若さでシングルハンターの称号を持ッてるなんて凄いです。尊敬します!」


「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。貴女、気に入ったわ」










あ、マンタ。

じゃ、なかった。タンマ。

何か目立ってないか、私。

気に入られちゃ拙いんじゃないの?

今日私厄日だな…。

心にもない事は言っちゃいけないのね。










「やはり貴女はそこら辺については詳しかったようですね」


「(気付いてたけど)あ、サトツさん」










さっきから私達の事ずっと見てたわね、
お髭ダンディ★サトツさん。

気配消してたつもりだろうけどバレバレだから。

でもあえて今気付いたみたいな振り。










「サトツさん、帰ったんじゃなかったの?」


「いえ、少し気になりましてね」


「へー、サトツさんが気になるなんて今年の受験生はちょっとは歯応えある連中なのかしら」










うっわー、何か楽しそうですね、メンチさん。

しかも私を見るのは止めてくれますかね。

私は一般ピープルです。

一般人な私を見ないで下さい。










「確かに、この子は面白そうだけどね」









いや、私何も持ってませんから。

隠し芸なんて持ってませんから。

面白くもなんともないですから。

目をつけるのだけは止めてくれますかね。










「あ、そろそろ戻ってきますね、他の人達(助かった…)」










これ以上気に入られても困るんだよね。

一般の受験生なら喜んでもっと媚売りそうだけど、生憎私は一般の受験生じゃないんで。

あ、嘘。

一般、一般。

一般ピープルな受験生です。










「思ったんだけど、貴女遠くの気配が読めるの?」


「はい。気配を探るのは結構取り柄だったりするんです」










これくらいはズバ抜けた五感の能力って感じでやり過ごせるよね?

え、やり過ごせない?え、ちょ、やり過ごせないと泣いちゃうよ?


って、誰が泣くか。

そんな事で泣かないよーだ。



………。



一人でノリツッコミは悲しいね。

誰かツッコミが欲しい。










「さて、それでは私はそろそろ元の場所に戻るとしましょう」










そう言ってサトツさんは踵を返して近くの木の上に移動した。

え、其処バレるんじゃないですか。

え、バレないの?うそーん。

アレか。
受験生全員ゆとり教育ん中で育ってきたからか。

だからアレくらいの気配も気付かないのか。




って、










「あああああぁぁぁ!!!」










ちょちょちょちょちょ、待て待て待て!!

こ、これミディアムどころじゃないって!!

ウェルだって!!
このブタ、ウェルになっちゃったし!

くっ…余所見しなきゃよかった…っ。



料理の基本其の一。

調理の最中はそのものに集中し、目を離してはならない。


ああぁぁ……こんな基本的な事を失敗するなんて…。

く、屈辱的…っ。

私の料理のプライドが
ちょこっとだけ傷ついたよ、今。










「……ブハラさん、ウェルで我慢して下さい」


「我慢も何も焼き加減は別に気にしないって」










おい、ちょっと待て。

それは駄目だろ。

少しは気にして下さい。

ミディアムに出来なくてちょっと傷ついてる私が馬鹿みたいだから気にして下さい。










「それじゃ、いっただきまーす」










てかね、ふと思ったんだけどね。

焼き加減は気にしないって事は、真っ黒焦げでも別に気にしないって事だよね。


















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08.04.27 修正完了